2020.12.10
新型コロナに負けるな(110)~16:00以降の活動紹介~
本日は16:00以降の活動をご紹介します。
皆さん、「夕暮れ症候群」であったり「帰宅願望」という言葉をご存知でしょうか?
簡単に言うと「夕暮れとともに家に帰りたくなってしまう」事なのです。様々な文献や論文は様々な著名な先生方が発表されておりますが。現場の作業療法士としての考えをすこしお話させていただきます。
「帰宅願望」と聞くと、「帰りたい帰りたい・・・、と言いながら玄関に向かって歩き、手に負えない」とか問題的に受け止める方が多いと思います。しかし、果たして「家に帰りたくなること」や「外に出たくなること」はいけない事でしょうか?人によっては「今まで生活していた家」であったり、「友達の家」であったり、「遠い昔の田舎」であったり、、、、想いはあるのです。なので、「施設が自分の家でない」と思うのは自然でないでしょうか?ただ、判断力の低下などで「自分が置かれている状況」が理解できないだけだと感じます。
当施設では、医師をはじめ、作業療法士や理学療法士、看護師、何よりも利用者様に近い介護士が「その方の想いを理解すること」を重点に考えます。決して「行動の抑制(「ダメ帰れないよ」「もう入所したのだから・・・」と考える事はしません。
その方が持っている「不安」に目を向けます。
大人数では逆に不安になるので、3~4名の集団を作り、利用者様同士で話をする。若しくは協力しながら集団活動に取り組む。すると自然と気持ちが和らいできたり、表情が笑顔になったりすることが多いです。
そんな取り組みを当施設の認知症専門棟では取り組んでいますので以下にご紹介をします。
①16:00になると通所の方々は自宅に帰ります
②外を見ると・・・。夕日が沈みかけ、富士山も雲に隠れ始めました・・・。
「我々ですら、少々寂しい気持ちになりますね」
③そこで、4Fではこんな目的で取り組んでいます。
・利用者様同士、職員と利用者様が自然と会話できる環境
・日頃慣れた作業「水やり」を通じ定期的に取り組む
※皆さん夕方に「水やり」しませんか?
・外の空気や香り、気温を肌で感じて頂きます。
そんなことを自然に環境を作ってあげるだけで、利用者様は落ち着いて「水やり」作業にとり組まれています。そんな姿を見れば見るほど、環境づくりって必要になってきますね・・・。